ティオがウォンレイの所へ押し掛け弟子する話をやろうとして挫折したブツ。
 イキオイで書き上げる事すら出来んかったって事で、改めてやり直したらきっと別物になりそうなヨカン。
 そんな訳で中途半端です。それを了解の上でお読み下さい。











“最強の盾と守る王”

 恵が、仕事で2週間ほど海外へ行く事になった。
 そんな時、ティオはガッシュと再会して以来、そのパートナーである清麿の家に預かってもらう事になる。東京からそれ程離れていないし、何より人間界に来てからのガッシュは、落ちこぼれで有名だった魔界の頃からは想像出来無い程の攻撃力を持つ能力に恵まれている。──魔界時代、“首締めティオ”の異名を誇ったティオとしては少々、いやかなり複雑ではあったが。
 だが今回、ティオはウォンレイのいるリィエンの所へ行くと言い出した。
「どうしたの? 何かあったの?」
 恵の問いに、ティオは首を振る。
「違うの。私、前にウォンレイと約束したじゃない。弟子にしてって」
「……あの、遺跡の時ね」
 千年前の戦いの際、石版にされて人間界に残された魔物達がいた。その魔物達を利用して王になろうとしたゾフィスの目論見を打ち砕く為、ガッシュやキャンチョメ、戦う覚悟を決めたウマゴンやゾフィスの居場所を突き止めたナゾナゾ博士と組むキッド、そして後から駆け付けたウォンレイ達と共にゾフィスが根城とする遺跡に乗り込んだ。そこで分断された時に、そうなってもチームで動くと言う予め立てておいた作戦に則って《のっとって》3組に分かれた。その時ティオと恵はウォンレイとリィエンと行動する事になったのだ。
 そして棒術使いのツァオロンと言う魔物とそのパートナーとしてあてがわれていた──但し同じ様にあてがわれていた他のパートナー達の子孫と違い、精神の波長を合わせただけで心までは操られていなかった──玄宗との戦いの後、ティオはウォンレイに弟子入りを志願したのだった。
「結局あの時はほとんど教わる事が出来なかったじゃない。だから、2週間でどれだけ覚えられるか分からないけれど、ウォンレイの所に行きたいの」
 ティオの術は殆どが防御の為のものだ。攻撃術もあるにはあるが、相手が人間ならともかく魔物に対してはロクなダメージを与えられない。それ故に千年前の魔物達との攻防では他の仲間達のサポートに回った。
 チームで戦う時はそれぞれの能力を最大限に活かして戦う以上、それは当然なのだとティオも分かっている。その能力を把握した上で、清麿の予測とナゾナゾ博士の立てた作戦があったからこそ、ゾフィスの野望を打ち砕く事が出来た。変身する能力しか持たないキャンチョメですら、その能力の使い方を教わった事で自信をつけた。
 そうは言っても、普段から仲間達みんなで行動している訳ではない。住んでいる所が違うだけでは無い、パートナー達には、それぞれ本来の生活がある。この戦いだけに集中してはいられないのだ。
 だからこそ、ティオは力が欲しかった。幾ら日常的に行き来出来る範囲にガッシュが居るとは言え、常に頼れる訳では無い。自分しか居ない時に他の魔物に襲われたとしても、せめて恵だけでも守りたかった。出来る事なら、恵を取り巻く世界をも。
 そしてティオは、あの遺跡での戦いで見たウォンレイの姿に、自分が目指すべき戦い方を見た。“守る王”を目標とし、その為に拳を、力を揮うウォンレイ。だがそれ以上に何れ必ず別れの時が来る事を知っていながら、パートナーとしてではなく誰よりも何よりも大切な人《リィエン》を見出した彼は、何があろうと彼女を守り抜く為にその力を揮い、その身を盾にするその姿に、ティオは心を打たれた。
 ティオは、あんな風に強くなりたいと思った。守る者の為に強くなり、守る者の為に力を揮う。自分の能力が防御主体である以上、みんなの盾になる為に。
 恵がその真意を測る様に見詰めてくる間、ティオも目を反らなかった。
 やがて、恵は頷くと、言った。
「わかったわ。いってらっしゃい、ティオ」
「ありがとう、恵!」








 この後ティオはリィエンとウォンレイの所に行く筈だったんですが、どーにも思い付きませんでした。状況が。
 つーかそれじゃティオがお邪魔虫じゃないかと言うツッコミはスルーの方向で。単に女性キャラが上手く描けないと言うのもあるんですが。特に恋する乙女系(喀血
よんだよ


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