シードルが転校初日の女主人公と遭遇した日の話。
 しかし結局うまくまとめられなくて書き上げられず、お蔵入りしてたのを引っ張り出してみた。そもそも無印MagicalVacation自体もうかなり今更と言うかι
 そんな訳で中途半端です。それを了解の上でお読み下さい。











“falling down”

 無意識の賜物とは言え、ここまで来ると我が事ながら呆れる。
 いつもの様に1人で美術室に籠って、何となくクロッキー帳にペンを走らせていた。描き掛けのカンバスをイーゼルに掛けてはみたもののこの日はどうも気が乗らず、続きを描く気になれなかったからだ。その結果がコレだ。
 呆れながらクロッキー帳をめくる。ここに籠った2時間のうちに描いたラフは3ページに及び、しかもそれらは全て同じ人物を対象にしていた。

 それは、今日来たばかりの編入生の少女だった。

 眉間にシワが寄る。
 別に人物に限らず、ある1つの対象のみを集中的に描く事は時々ある。だからその少女だけをひたすら描きまくっていた事は問題でない。全身を描いたものだけでなく顔や体のパーツの一部のみを描いたものもあるが、これにしてもやはり人物に限らずそうやって特徴を掴んで行くので決しておかしい事ではない。
 それでは何が問題なのかと言うと、1つ1つのパーツに限って言えば確かに特徴を掴んでいる様に見えるにも拘らず、全体を通してみると何かが足りないのだ。そしてその為に、似ている様には見えなかった。
 改めてクロッキー帳を見返しながら、その原因を考える。今日会ったばかりの、それもまだ手続きが残っているとかで結局顔を見せただけの相手だと言うのにこれだけ描ければ確かに上等ではあるかもしれない──だが、それでは自分が納得出来ないのだ。
 ──この絵には、何かが足りない。
 それは絵描きとしての彼のプライドが許さなかった。何としてもきちんとした彼女の姿を描きたかった。
 明日学校に来たら、モデルになってくれるように頼もう──シードルはそう思い、クロッキー帳を閉じ、カンバスを片付けて美術室を出た。








 この後が続けられなかったのが放置こいた最大の理由だったり……(トオイメ
 余談ながら、ウチの女主人公は表向きはライム・クラッカーと言う名前で雷属性の、本来はエリナー・ブラングウェンと言う名前で風属性のキャラだったり。そんでカシスと兄妹の様にじゃれあったり、レモンやブルーベリーとガールズトークに花咲かせたり、あまりものオンチっぷりにアランシアに泣き付いたりしてたりするイメージ。
 ちなみに虫や動物に詳しい事からセサミには師匠と呼ばれてたり、逆にガナッシュは振り回されて苦労してたり。キャンディに至ってはこのガナッシュの事と、女主人公自身の同族嫌悪が重なって常に冷たい空気が漂ってたり。
よんだよ


 junk yard