蛇足的後書と言う名の語り

!originalの他にSaGa FrontierとSAMURAI7に関する妄想を垂れ流してます

 元ネタが夢と言うのは既に記した通りですが、あんな夢を見た原因と言うのがその時書き進めていた(つーかコレを更新する時点でもまだ書き上がってない)オリジナル話にある様な気がするんですね(“真夜中の散歩”のコト/070521追記)。公開すらしていない話について語るのもアレなんでその辺りについてはそれからと言う事で。

 夢の内容はほぼあの話の通りです。処刑される子供とそれを愉しげに眺める支配者の対比が頭にこびりついてしまい、胸クソ悪さと気持ち悪さとムカつきと言ったとにかく気分の悪くなる要素満載でつい吐き出さずにはいられなかったと言うのが書き記した真相。尤も、本当に書いてしまったのは買ったばかりの「皇国の守護者」のコミックス4巻を読んだ勢いに乗ってしまったからだったりもしますが。あれは読むとどーしても何かせずにはいられない衝動に襲われる……(ちなみに1巻を読んでハマって勢いで3巻までまとめ買いして読んだ後、その衝動で書いてしまったのが嘘予告である“the Destroyer”)

 尤も、その夢を見てから書き始めるまでに2〜3日の間がありまして。その間不意に夢の内容が頭をよぎっては気分が悪くなるのを繰り返しながら、ふと思ったのがSAMURAI7のヘイハチの大戦終結直後の心理状態ってこんな感じじゃなかったんだろうかと言う事でした。
 完全に妄想な訳ですが、アニメ版だけでは絶対的に足りない情報をある程度小説版で補完して行くと、ヘイハチは裏切られたと同時に自分もまた裏切り者である現実を突き付けられたらしいと言う事が解る。でも元々そんなに器が大きい訳ではない、と言うかあの話に出て来る大戦を経験したサムライ達の中ではむしろ普通の人だったヘイハチには裏切り者の烙印はあまりにも重過ぎ、あの笑顔にしても発狂寸前まで泣いたり笑ったりを繰り返した中で張り付いたモノなんじゃあないかと思うんだ。何と言うか、道化師の笑みみたいな笑っている様にも泣いてる様にも見えるあのカンジ。過去が解るとそう言う風にも見えてくる。
 要するに“処刑される子供”が純粋さとか無垢さとか、そう言った心の象徴みたいに考えられる訳ですよ、ヘイハチ視点で考えると。対する“支配者”が自分を踏み台にして行った裏切り者でありまた裏切りと言う行為そのものの象徴でもあり、そしてそれを見ているしか出来無い3人目の人物が自分も裏切り者である事を自覚しながらもそれを言い出せないまま終戦を迎え、にも関わらず軍服を脱ぐ事も出来ずにいたヘイハチ自身に見えてくる訳だ。裏切られ裏切り者となった事でどうにか残っていた筈の綺麗な部分が失われ、“支配者”が象徴する様にそんな己を笑い、だけど罪の意識からは逃れられずに己を責めるのが見ているしか出来無い自分でもある、と。
 カンナ村を巡る戦いに参戦したのも多分最初は美味い米の産地と言う事だったかも知れないけれども、ヘイハチにとっては再び裏切りの場面に遭遇して行く中で過去の自分とも正面から向かい合う戦いでもあったんじゃないかとも思えてくる。どれだけ自分が弱くて汚い人間だったのかを認めたくなかろうとも、綺麗な部分が失われてしまった事を嘆こうとも、それら全てを無かった事には出来無い以上はそんな自分と共に生きて行くしかない訳で。

 これがモンド様の方になると、心理状態とも現実と虚構が混ざり合った様にも考えられたり。“処刑される子供”はヘイハチと同様に失われた綺麗な部分とも取れるし、自分を守る為に命を落としたイアンにも見える(ウチのイアンは小柄で童顔)。“支配者”についてはモンド様自身が支配者だし、それ以前に単純にトリニティそのものとも考えられる。
 モンド様の場合基本的に表に出ているのが“支配者”なんだろうが、“処刑される子供”に象徴される失われた、或いは意図的に殺さざるを得なかった心や過去と言ったものによって自責の念に駆られたり、自分がやっている事が本当に正しいのかと自問自答を繰り返すのが3番目の人物。でもやっぱり基本は“支配者”だから死に行くイアンに何も出来無い己を呪い絶望しながらも、これまで命を懸けてきた目標の為に過去に囚われる自分を皮肉に笑いながら迷いも後悔も無く自分が信じる道を進んで行くし、それがとっくに後戻り出来ない事も解っている。
 そもそもリーダーとして親友として尊敬していたイアンの死に途方に暮れて絶望して、そうして出した結論が裏解体真書にあった通りトリニティを内部から破壊、或いは変容させて行く事だったとしても、それまで反トリニティ側について闘っていた以上は裏切り者の烙印を背負う事は避けられない訳で。
 大体モンド様についてはリュート編とエミリア編を足しても得られる情報は殆ど無い上に、それがかなり相反したイメージとして伝わってくるからどうしても二面性の激しい人物像が出来上がってしまうんだよね。そもそも自分が裏切り者であると言う自覚があるからこそ敵にはより敏感になっただろうし、だからこそ尚更数少ないであろう味方を大事にしてるんじゃないかとも思う。立場から来る都合もあって“支配者”として振る舞いながらも、恐らく味方には1度は失われた“処刑される子供”に象徴される部分を見ていたのではないだろうかと。

 もう1つ、ガラスに映った“支配者”の姿が炎に包まれた“処刑される子供”に被って見えると言うのが、モンド様にしてもヘイハチにしてもその行く末を暗示している様にも見えてくる。ヘイハチは下半身を潰されながら自らが切り離した機関部と共に落下して行き、その後ヘイハチの刀に着いていたてるてる坊主のストラップをリキチが拾う事からそのまま死んだだろうと考えられるし、モンド様は仮にもリュート編のラスボスと言う事で倒される事が運命づけられている上に、実際そのエンディングでリュートとその母親との会話から死んだだろう事が示唆されている。
 ただ違うのは、そんな自分にどう折り合いをつけていたかと言う事だろうか。ヘイハチは23話のカンベエとの会話からするとどうやら折り合いをつける事が出来た様だけれども、それまでにかなりの時間が掛かっている(アニメ版だと恐らく5年以上、小説版を元にするなら10年ぐらい?)。とはいえ、それによって“支配者”に象徴される己の闇を克服とまでは行かなくとも乗り越えられた事が分かる。
 モンド様はその辺りの事は語られていないけれど、裏切り者と呼ばれるのが解っていてトリニティについたのだから最初から覚悟は出来ていたんだと思う。但しラスボスであるが故に自分の計画に刃向かうものとしてリュート達を排除しようとするけれど、本当にトリニティを喰らい潰して自らが取って代わろうとしていたのか、それとも昔イアンと共に目指していたものを実現しようとしていたのかまでは解らない。裏解体には取って代わるつもりだったらしいとはあるけれども、ゲームだけだと(自分の場合なまじ先にエミリア編をクリアしてからリュート編をplayした為に)本当にそうなのか?と言う考えが先に立ってしまう。

 以上、この話を心象風景として捉えた場合のモンド様、ヘイハチに関する語りでした。original絡みについては問題の話が書き上がってからいずれ。
 尚、本編及びこの蛇足的後書き執筆中BGMはBUMPの“ギルド”とL'Arc~の“forbidden lover”“いばらの涙”でした。強烈にイメージが増幅されるだけでなくステキに鬱モードへ突入出来ましたとさ……
よんだよ

 只今挑戦中あとがき?

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